薊の森

備忘録

あみもの第三十七号感想①笛地静恵さん

Twitterでご希望をいただいて、あみもの第三十七号の感想を書かせていただきます。

 

 

 

一番目は笛地静恵さんの『テレビを見る時には部屋を明るくして隠れて見て下さい』。

 

最初に読ませていただいて目に留まったのは、「コンビニでアリガトだけを~」「見わたせば花も夢二も~」「ひのきの柱つややかに立ち~」でした。

「アリガト」という片言の発音が、テレビしか相手にしておらずに対人間ということに不慣れな感じを受けます。

「裏の空き家の冬の夕ぐれ」という景がもの悲しくも惹かれました。

「一枚の素肌をめくるかんな掛け」という比喩が、私には思い浮かびませんので、すごいなあと思いました。

 

笛地さんの連作は凝った印象を受けます。私には少し難しいですが、個性的でとてもいいと思います。